俺はとある地方の出身だ。
そこの方言は生粋の人が話せば外国語と言われるくらい難解なものだ。 だが、俺はほとんど地元の方言を喋れない。 周りの人が全員標準語では方言のイントネーションすら出てこない。 逆に、近くに方言で喋れる人がいればすんなり喋れる。 そして、方言の語彙もほとんどないのだ。 とはいえ日頃から使っている言葉に実は地元の方言が混じっていたりもしたのだが 高校時代に言葉遣いはほとんど標準語と化してしまった。 地元ではその中の地域によっても方言の強さが違う。 俺の住んでた地域は方言が廃れているようで簡単に話せるのは両親の世代までである。 だから、たまに祖母の話す言葉がわからないのだ。 子供の頃には普通に理解していたというのに。 母が話すには、両親が小学生かそのくらいの頃。 地方の方言を標準語に強制的に置き換えようとした運動があったらしい。 標準語=東京弁に統一しようとしたのだ。 方言を話すことはいけないとされ、 学校では方言を話せば「私は方言を使いました」という札をつけられ、 立たされていたらしい。 だから、家では方言を話せたものの、学校では標準語という形になったそうだ。 さらに、俺たちの世代になると両親の世代は生粋の方言ではないし 家では(少なくとも我が家では)標準語であり、 テレビからは標準語ばかりが流れる(テレビの影響は無視できないだろう)。 地元には地元の方言で話す番組もあったがそれも一部。 両親は祖父らとの会話には方言を使うが子供には標準語。 そうやって、俺は標準語なまりとなったのである。 それでも、地元のいくつかの方言の単語が標準語の如く使われていた。 地元を出て、本当に方言なのかなと友人に質問すると「?」という返事。 やはり方言だったのだなぁと感じた。 今度帰省したときはもっと地元の方言の語彙を増やそうと思う。 故郷の言葉だからね。
by puku_willmac
| 2006-05-24 01:06
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